気骨の木工房　杉本木工々房

	大きなものを作る人は、小さなものを作れるか？答えは、そうとも言い切れません。例えば、江戸指物を作る木工職人を思い浮かべてみてください。繊細な作業、０コンマ１ミリ単位の精度を要求される緻密な職人技。一方、大きなものを作る職人といえば、まず大工を思い出しますね。近年、本当の職人大工は減ってきています。その原因の一つとして施工が簡単なツーバイフォー工法が主流になってきているためです。いわゆる本当の職人大工もこの作業をしなくてはならない時代となっています。なんと悲しいことでしょうか・・・これを建てるのは難しい軸組、継ぎ手、仕口など必要としない大工で出来てしまうのです。在来工法ですら今ではプレカットなので、近年の大工は現場作業員化してきています。工場で出来上がった半分完成した壁を現場でネジ付け、又は木質ボードをネイラーで打ち付け。まるで大きなプラモデルです。　日曜大工が得意で知識さえ身に付ければ誰でも出来ます。現場作業員の中には、見えない部分だからといって２～３ｍｍの誤差が平気な人もいます。一方、小さな木工製品は、１ｍｍ以下のズレがよく目立ちます。つまり、家などの大きなものは誤差があまり目立たないのですね。結論として、木工製品に限ったことではありませんが、小さな物を作る木工職人は、大きなものを “より上手に” 拵えるのです。当工房は、昔気質をとことん貫き、気骨の精神で物づくりを実践しています。自然に近く、なるべく塗装や余分な処理はほどこさず、無垢材をおもに使用しています。子供の木のおもちゃ、あらゆる木工製品、特注品、家具など今では忘れかけた、安心で暖かみのあるものを作り続けて参ります。物で栄え心で滅びることのないように、杉本木工々房は頑張り続けます。